contribution寄稿・コラム
今さら聞けない皇室の基礎知識 第四回 「昭和天皇はいつから昭和天皇と呼ばれているのか」 村田春樹
上皇か名誉天皇か
本稿執筆直前、天皇陛下のおことば(ビデオメッセージ)が放映された。「天皇は国政に関する権能を有しない」との憲法の規定を踏まえて制度に関わる具体的な文言を避けつつ、御譲位を強く滲ませた内容であり、安倍首相も、「天皇陛下が国民に向けてご発言されたことを重く受け止めている。天皇陛下のご年齢やご公務の負担の現状を鑑みる時、どのようなことができるか、しっかり考えていかなければならない」と語った。御譲位ということになると、当然今上天皇は太上天皇(上皇)に成られるわけである。歴史上後鳥羽上皇が有名である。では平成上皇と申し上げるのであろうか。もし御譲位されても上皇にならないとなると、一体どういうご身分に成られるのであろうか。浅学にして見当もつかないが、皇国二千六百年の歴史で最初の「元天皇」とか「名誉天皇」とか「相談役天皇」に成られるのであろうか。
仙洞御所
御住まいはどうなるのであろうか。上皇の御住まいは仙洞(せんとう)御所と称された。京都御所には今でも建物が遺っている。ついでだが皇太后の御住まいは大宮(おおみや)御所といい、これは京都御所にも東京の御所にも遺っている。仙洞御所とは実に風雅な呼称であり復活を望みたいが、それはさておき、尊称は陛下のままなのであろうか。殿下に格下げあり得ない。そのうち両陛下というと上皇と今上天皇お二人のことを申し上げることになるのかも知れない。冗談と思われるも知れないが、真剣に心配しているのである。
いつから昭和天皇
記事の続きは有料会員制サービスとなります。
2023年3月より新規会員は新サイトで募集しています。
こちらでご覧ください。
やまと新聞は日本人による日本のための新聞社です。
会費は月額350円(税込)です。全ての記事・コラムがご覧いただけます。