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【都知事選】党内分裂 小池氏に強烈な追い風か 自民東京都連 小池氏応援した議員とその親族らに除名処分課す書類配布 思想の自由を保障した憲法19条違反の疑いも
舛添要一前東京都知事の辞職に伴う都知事選(14日告示、31日投開票)で、自民党は、東京都連推薦の増田寛也元総務相(64)と、小池百合子元防衛相(63)の分裂選挙に突入することが必至とみられている。
順当に行けば、東京都連の組織力を背景に増田氏有利とみられているが、12日になって、小池氏に強烈な追い風が吹き始めている。
きっかけは、11日付で都連所属国会議員や地方議員に配布された文書だ。
やまと新聞は、都連関係者に取材し、この文書を入手した。
文書の内容は、都連会長である石原伸晃経済財政政策担当大臣と、幹事長である内田茂都議会議員、党紀委員長である野沢太三元法務大臣の連名で出されたもので、内容は、都連所属の国会議員及びその親族等が、都知事選で非推薦候補の応援をした場合は、除名処分等の対象になるというものだ。
この文書は、朝のテレビ番組等で紹介され、コメンテーターから、処分対象に親族等を含めることは、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」と定められた、憲法19条違反の可能性があるという発言があったという。
小池氏の選対関係者によると、この放送の後から、事務所に電話が殺到し、対応が追いつかない状態になっているという。
電話の内容は、ほとんどが一般からで、小池氏を激励するものや、選挙のボランテイアを申す出るものなど、小池氏に対し好意的な内容だという。
ある都連関係者は、やまと新聞に対し、都連の手法について、次のように述べた。
「都連幹部の手法は強引過ぎる。都連内では、先日の参院選における都連のやり方に不満が高まっている。参院選東京選挙区では、都連が推した中川雅治氏と、党本部が推した元ビーチバレー日本代表の朝日健太郎氏が出馬した。
都連は、所属国会議員、地方議員に中川氏だけを応援し、朝日氏を応援しないようお触れを出し、従わなかった地方議員に対し、地域の総支部事務所への出入り禁止とした事例なども出ている。他党の候補を応援したのなら理解できるが、同じ自民都連の候補を応援したのにこの処分は酷すぎる。あまり強引に事を進めると、都連に造反し、小池氏に同調する議員が続出するおそれがある」
自民都連がこの文書を出した背景には、候補が乱立し、混迷を深める都知事選で、確実な勝利を収めるため、組織の引締めを図ったものとみられるが、現状は逆効果になっているようだ。