taiwan「台湾は日本の生命線」

第20回講演会「台湾蔡英文政権と日本」講師 永山英樹氏

平成28年6月19日、東京都代々木の会議室にて、〔アジア自由民主協議会〕第20回講演会「台湾蔡英文政権と日本」講師 永山英樹氏、が開催された。

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【動画】 「台湾蔡英文政権と日本」講師 永山英樹氏
https://www.youtube.com/watch?v=JoyPvgJDVEo

2016年6月19日に東京、代々木で開催されたアジア自由民主連帯協議会 第20回講演会「台湾蔡英文政権と日本」の動画です。

・講師
永山英樹氏(台湾研究フォーラム)
・登壇
イリハム・マハムティ氏(日本ウイグル協会)
・司会
古川郁絵氏(アジア自由民主連帯協議会)


 【一部内容ご紹介】

『きょうは、このようなタイトルで、台湾で新政権が発足しまして、今後日本とどのようなつながりを持っていくのか等々について話させていただきたいと思います。
 今年の1月16日に総統選挙が行われて、野党の民進党の蔡主席が与党国民党の候補者を破って当選を果たし、そして、5月20日に就任したわけですね。その日の就任演説というものは、日本を含め世界の注目を集めました。

 台湾と中国との間に「一つの中国」を確認し、合意したという、「92年コンセンサス(92年合意)」というものを、蔡英文さんはいままで受け入れてなかったわけですが、総統就任演説でそれの受け入れ表明をして国民党と同様に中国と仲良くやっていくのか、それともそれを拒否して中国との間で緊張を高めていくのか、そのような点が特に注目されました。結果的には、受け入れ表明はしなかった。予想されたとおりですね。
 ただ日本人は台湾問題に対してある程度の誤解があって、それがあるために、認識すべきものをちゃんと認識できていない気がします。

 特にそう思わせるのが、マスメディアの報道です。蔡さんが「92年コンセンサス」を認めないのは、独立志向が強いからだというのですね。NHK、民放もそうですし、全国紙、地方紙に至るまでみなそうですが、民進党に言及する際、大抵「独立志向の強い民進党」とか、「独立志向の民進党」とか、枕詞のように「独立志向」と付けます。

 では、独立とはどこから独立なのか。民進党はもともと台湾独立という目標を掲げていましたが、それは中華民国体制から独立するということです。ただ、いまはその目標は凍結し、棚上げしているのです。だから、そういう意味で「独立」と言っているとは限らない。

 つまり、中国は、「一つの中国」を受け入れない民進党のことを、中華人民共和国からの独立を計る分裂勢力であると批判していますが、それと同じ感覚で言っているわけですね。台湾は中国に支配されてないのに、「台湾は主権国家である。中国とは別々の国である」と強調することを、台湾の独立、分裂の動きだと極め付け、そのように緊張を高める民進党はトラブルメーカーであると国際社会に訴え、孤立させようとしているのが中国ですが、そういった悪意の謀略宣伝に、日本のメディアは乗っているケースが多い。しかし民進党が中国からの独立を訴えたことは一度もありません。

そこで台湾人が、いつも「独立志向の民進党」と書く日本経済新聞の台北支局に抗議しました。ところが支局長さんは、「日本政府は、台湾は中国の領土と認めているのだから、この表現で正しい」と言ったのです。しかし抗議した人間は弁護士で法律に詳しく、「日本政府はそう認めてない」と言うと、支局長さんは、「あいまいにしているけど、実は認めているのだ」と嘘の上塗りをして逃げてしまったそうです。

 それから、読売新聞は、はっきりと「中国からの独立志向の民進党」と書いています、その代わり、間違いだとの批判を避けるため、独立の二字をかっこで括っています。かっこを付ければ何を書いてもいいと思い込んでいるらしい。

 なぜどこもそこまでして、しかも一斉に、「台湾独立志向」と書くのか。何ごとにも動機、目的があるわけですが、やはりそのように宣伝している中国の顔色をうかがい、歩調を合わせているとしか思えない。「民進党はトラブルメーカーだ」という中国の悪意の宣伝に加担している疑いも払拭できないですね。』