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三島由紀夫『橋づくし』  7つの橋の今昔

今回はちょっと趣向を変えて、「橋」をテーマにする。

橋を扱った映画や文学を探してみると、意外に小説は殆ど無いことに気づいた。

小説の代表作を挙げるとすれば、日本では三島由紀夫の『橋づくし』、海外ではアメリカの小説『マディソン郡の橋』を挙げられるだろうか。

替わりに映画のタイトルでには結構多くの橋があり、『マディソン郡の橋』、口笛のクワイ河マーチが一世を風靡した『戦場にかける橋』、後々の差別小説に先鞭をつけた住井すゑ源作『橋のない川』、松竹映画のロマンス路線『あの橋の畔で』などが思い浮かぶ。

 

『マディソン郡の橋』は発売当時世界中を巻き込んだ小説といってよく、特に中年男性の胸を熱くしたものであった。『エロイーズとアベラール』の現代版といっても過言ではない?初めて真剣な恋に落ちた男女が長い年月をかけて、灰となってマディソン郡の出会った橋から共に永遠の眠りにつくという何とも切ない小説であった。

そういえば戦後最大のヒット作となり放送日の時間には銭湯が空になったと伝説の『君の名は』も数寄屋橋(現存せず)が舞台であった。

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