加賀の前田家といえば時代劇には欠かせない100万石の殿様である。

江戸時代の殿さまは、徳川家に歯向かわぬよう一年に一度、大名行列を整え「下にーー、下にーー」と街道をお江戸に向かっていったものである。これは大名行列に多額な費用をかけさせ、徳川家に弓を引かぬようにという政策のひとつでもあった。

そんなこんなの事情もあり、大きな大名は江戸屋敷を構えるようになった。

江戸城を囲むように城下町が出来たのである。

明治になると各大名は貴族となり、江戸屋敷は豪壮な洋館や邸に変わっていった。

「公侯伯子男」と俗に言われる爵位の順列だが、公爵は通常華族、侯爵は第2位の爵位であり、大大名といわれた前田家は公爵位を授与されている。

その前田侯爵邸があるのが目黒区駒場である。

明治17年、東京帝国大学（東京大学）の敷地拡張の為、本郷から移り駒場に広大な土地を下賜され移り住んだ。4万坪を誇る敷地にある旧侯爵邸は、現在見学可能であるので（要確認）、古き良き時代の貴族を味わうことも可能。