pet「マリの喫茶室」

【マリの喫茶室】(74)  ロシアのウクライナ侵攻で思う3つの疑問

連日、ウクライナの惨状が伝えられ、心が痛む。

この21世紀において、ある日突然、隣国が戦車で乗り込んできて殺戮を行うなんてことが現実に起きているとは、未だに信じられない。

内戦とはわけが違う。

しかも、世界はそれを止める力がないことに戦慄する。

 

(1)なぜ、ロシアの国民はプーチンを支持するのか

ロシアの世論調査では、ウクライナに対する軍事行動を8割の国民が支持しているという。悪いのはプーチンだけ、という構造ではもはやない。

たとえ、ロシアの情報統制がうまくいったとしても、どんなに正当な理由があるように見せかけたとしても、いきなり戦車で他国を攻め入ることを正当化してしまう国民性に驚くばかりだ。

 

(2)なぜ、メディアは「シベリア抑留」を伝えないのか

 ロシアがウクライナの住民をロシアに連行しているという。一体何のため?強制労働のためだろうか。

 真の目的は分からないが、第二次世界大戦後のロシアによる「シベリア抑留」を連想するのは私だけなのだろうか。

ロシアは、日本人捕虜や民間人をシベリアに移送し、マイナス30度の厳しい環境下で、強制労働をさせた。多くの人が過酷な環境下における過酷な労働で亡くなったという。山崎豊子の「不毛地帯」を読んだときは衝撃だった。

 あれから80年近くたったが、ロシアはまたウクライナで同じことをしようとしているのか。なぜ、メディアはそれを指摘しないのだろう。

 

(3)なぜ、メディアは円安を非難しないのか。

  ウクライナの人々の苦しみに比べれば大したことではないが、原油高にウクライナ侵攻が重なり、今後、物価は上がり続けるだろう。

 原価が上昇するのだから、物価上昇はある程度仕方がない。

しかし、それだけではない。物価高を加速させているのは、円安である。

 専門家が「いい円安と悪い円安があるが、今回は悪い円安」と言い切っている。

諸外国は、既に低金利政策をやめている。

にもかかわらず、ひとり日銀の黒田総裁だけが、低金利政策に固執し、「悪い円安」を進行させている。

日本の経済構造をみれば、円安が輸出に寄与する時代はとっくに終わっている。

企業は現地生産が当たり前、円安は輸出に貢献せず、輸入コストをあげ、物価上昇を招き、企業と家計を直撃する。

しかし、岸田総理もメディアも、「円高になれば、物価上昇を抑えられる」ことになぜか、言及しない。繰り返し言う。物価上昇を抑えるためには、まずは円安を止めることです。

(桜)