kiji記事
【論説】核共有、是非はともかく議論を
※イメージ画像
戦禍の被害に遭うウクライナは、明日の日本である。
海を隔ててはいるものの、ロシアや中国といった大国に隣接し、いずれの国とも領土を巡る問題を抱えている(尖閣諸島は確固たる日本の領土だが、中国が領有権を主張している)。
中ロや北朝鮮は日本の排他的経済水域に艦船を連ねて示威行為をしたり、ミサイル発射を繰り返したりして軍事力をアピールし、常に威圧的な外交をチラつかせている。ロシアがウクライナに侵略した2月24日以降は北朝鮮の活動がとくに活発となっている。
軍事力は個人や住宅に置き換えると分かり易い。警備の手薄な住宅を付け狙っている強盗が、隙を伺いながら侵入の機会を推し測る。日本には日米安保という「防犯装置」があるので強盗も警戒しているが、ウクライナの情勢次第でこの防犯装置は大した反応を示さない可能性があると思い始めている。つまり、侵入アラートが鳴っても警備員が駆け付けない可能性があると考え始めている。
覇権国といっても、米国民だって私たちと同様に基本的には国民を危険地帯になど送り込みたくはない。他国同士の争いにどうして自国が巻き込まれなくてはならないのだ。そう思う米国民は民主・共和どちらの支持者にも少なからず存在する。
だからこそ、自宅に大した強盗撃退道具を持たない日本としては、強盗に対して「この家はリスクが高過ぎる」と最初から侵入を諦めさせることが何よりも重要なのである。
ウクライナ侵略後、安倍晋三元首相が「核共有(ニュークリア・シェアリング)の議論を提唱した。核共有は、核兵器の「持たず、つくらず、持ち込ませず」を謳った非核三原則に反する。安倍氏も、その点を踏まえ、また核拡散防止条約(NPT)も念頭に「核を廃絶する目標は掲げなければならない」と語った上で「現実の議論をタブー視してはならない」と強調する。
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