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【論説】犯罪者にも通じる独裁者の行動心理
※イメージ画像
現在、世界を混乱の極致に陥らせているロシア大統領のウラジーミル・プーチン(69)。その思考力や判断力が異常を来しているのではないかとして、米国のバイデン大統領は調査を命じたという。
しかし、大統領に初就任した2000年5月(2008年-2012年の間は首相)以来、強権的な彼の外交自体に変化はない。内政においても、政敵や反体制派を次々と暗殺している点では一貫している。今回のウクライナ侵略は、あまりにもバランス感覚が欠いているのかもしれないが、それも「積年の恨みを晴らす」という強権体質のバネが伸び切った反動と考えれば、必ずしも変質したとは言えないのかもしれない。
2008年、ジョージアに侵攻した南オセチア紛争によりロシアはG8から弾かれ、2014年のクリミア半島占領により西側諸国との関係性は決定的に悪化。2016年に内政を優先するトランプ大統領が当選し西側の結束に綻びが生じると、相思相愛の関係が構築される。2018年、シリア内戦への対応を巡り関係性は悪化したものの、プーチンとしてはNATOを形骸化しようとするトランプへの期待から、2020年の大統領選での再選を待ったものの落選。バイデン政権が誕生し、長らく渡り合ってきたメルケル独首相も引退し、プーチンを自重させていた重しが取れる形で、実力行使へ一歩踏み出した。
14歳で旧ソ連邦の諜報機関KGBに就職希望を伝えたと言われるプーチン。その動機は、日本でも戦前にスパイとして暗躍したリヒャルト・ゾルゲへの憧れだったという。レニングラード大学卒業後に諜報員となり、東ドイツ・ドレスデンに派遣され、東西ドイツ統一を目の当たりにしている。
その後は大学時代からの恩師アナトリー・サプチャークがレニングラード市長となり副市長に任命されたことで政治家として辣腕を揮い、当時の仕事仲間からは「真面目で実直」と評価された。
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