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【論説】整うサウナと、整わないサウナ
※イメージ画像
自宅から5キロ程離れた位置に2つの温泉施設がある。運営母体はそれぞれJRと埼玉県新座市。自宅からの方角は別々だが、どちらも同じ程度の距離で、サービス内容は一長一短である。
浴槽やサウナの数、泉質、広さ、休憩施設などはJRが運営している温泉施設に分がある。いや、圧倒的に分がある。かたや新座市が運営している温泉施設は、建物も老朽化し、サウナも1つ限り。「整う」ために必要不可欠な寝転び空間もない。仕方なく浴槽の縁で休んでいると、天井からぽたぽたと冷たい滴が零れ落ちるので、気持ち良くうたた寝することもできない。そもそも利用客が座りそうな天井から水滴が雨のように落ちる設計は共同浴場としては致命的ミスである。
しかし、それを補うほどのメリットもある。水温はぬるめで入り易く、平日であれば客も少なくゆったり入れる。休憩室も限られた空間なのだが、さほど混雑していないので、寒い冬の季節は1日中そこで読書や入力作業をしていても注意されることがなく、半ば図書館代わりに使うことができる。「過疎」ならではの「ゆとり」といったところだろうか。
そんなわけで、平日は「JR」に、休日を1日過ごすときには「新座市」にお世話になることが多いのだが、両者の間でもう一つ、決定的な違いが昨年あった。緊急事態宣言の間、営業時間が短縮されたことを考慮し、「JR」は回数券の有効期間を1年間延期してくれたのに対し、「新座市」は休業期間中が暫くあったにも関わらず救済措置を講じず、半年で終了してしまったのだ。
気付いた時には、手元に残っていた7枚の回数券がほぼ手つかずのまま期限切れになっていた。とはいえ、4,500円も払った回数券を1枚も使えずに終わるのは、納得がいかない。こちらに過失がないのに、休業期間が不当に長かった、つまりは有効期限が短くなってしまったのである。
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