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【論説】5年後に助かるワニ
※イメージ画像
世界は広い。外電の中には目を疑うようなニュースに出くわすことがある。
インドネシアのスラウェシ島で5年以上前から首にバイクのタイヤが嵌ったままだった野生のワニが捕獲され、タイヤを外されて川に戻された。
5年以上も首にタイヤが嵌りながら生き長らえてきた生命力に先ず驚く。このワニ、2016年に目撃され、州当局が窒息死するかもしれないと危惧し「ワニを捕まえてタイヤを外した人には報酬を提供する」と発表。2020年2月には州当局が捕獲大作戦を決行するも失敗した。
2月7日、地元住民が鶏を餌にしてついに念願の捕獲に成功。10人余でワニを抑えつけて薬で眠らせ、タイヤをノコギリで切断したという。タイヤの「軛」から解放されたワニは川に戻っていったという。
ワニの平均寿命は、種類にもよるが30年から50年程度。飼育下で70年生きた例も確認されており、100年生きると主張する専門家もいる。つまりは人間と同じレベルの長寿である。
「なるほど、ならば人間に近い命だから尊重しなければ……」という発想だろうか。都会に住む私たちにはなかなか理解できない。ワニは食用にしている国もあるし、ネット通販でもワニ肉は手に入る。タイヤを外す代わりにそのまま絞めて食用にしようとならなかった住民の優しさが、私(記者)には不思議でならない……などと書けば、サイコパス扱いされそうで、自身の良識を今度は疑う。
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