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『世界で一番格が高い王室は?』 村田春樹(今さら聞けない皇室研究会顧問)
先月号では都市伝説ならぬ、「保守伝説」を紹介した。戦前は「皇紀」が使われていた
のは伝説であり、事実は「紀元」が使われていたことを述べた。。さて本欄の読者諸賢
には愛国者尊皇家が多いと拝察する。嬉しい限りである。私がお付き合いいただいて
いる方々も全員愛国尊皇家である。(ではない人とは口もききたくない。)しかし尊皇家
でも時折妙なことを言われるお方に遭遇する。曰く「日本の皇室は世界一である。(こ
れには賛同する)だから世界の王室のなかで序列は最高位である。諸外国の王様は
我が天皇の前ではひれ伏す。世界の王族が一堂に会すると、天皇は最上座である、
次席はエリザベス女王である。つまり大英帝国の女王より我が天皇のほうが格上なの
だ。」といったものである。さて本当だろうか。結論から先に言うと、これも良く言えば都
市(保守)伝説、悪く言えばガセネタである。
日本の天皇は世界唯一の Emperor(皇帝)であり王家王族より上なのだが、その説明
だけで連載一回分は要するので今号はさて措く。
さて王室の序列の話しに戻る。現在世界の皇室王室に序列はない。国家間に序列が
ないのと同じである。ではなぜこのような「保守伝説」が生まれたのであろうか。
国家や王室の大イヴェントに世界中の国王元首が相集うことがある。例えば平成元年
二月二十四日昭和天皇の大喪の礼を想起していただきたい。ベルギー国王ボードワ
ン一世、スウェーデンのグスタフ国王、スペインのファン・カルロス国王等々錚々たる王
様が居並んだ。アメリカのブッシュ大統領も参列した。ご焼香(拝礼)の順番をどうしたら
よいのか、宮内庁は頭を悩ませたことだろう。しかしこういった世界の王公族や元首が
相集う時には、ある一定の序列のルールがある。国際法に基づいている訳ではないが
外交儀礼(プロトコル)で決められているのだ。大雑把に言えば「王族の中では陛下が
上で殿下がその下、同じ陛下ならば即位の年月が古い方が上に来る。大統領首相等
(閣下)は殿下の下に位置する。」というものだ。
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