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【論説】米軍撤収と同時に崩壊したアフガニスタン政権

 

※記事によってカブールとカーブル2つの表記が見られますが、実際の発音に近いカーブルにしています。

 

米軍撤退が進むアフガニスタンで8月15日、武装勢力タリバンが首都カーブルを制圧し、ガニ―大統領は飛行機でUAEに亡命。政権が崩壊した。

 

カーブルでは市場が再開されるなど平静を取り戻しつつある一方で、多くの市民は外出を控えている。国外に逃れようとカーブル国際空港に詰めかける市民は後を絶たず、混乱が収束したとは言い難い状況だ。

 

こうした状況を受けて、ロシアのプーチン大統領は20日、「西側の多くの政治家は他国に政治的標準を押しつけてはならないことを学んだだろう」と述べ、米国やNATO(北大西洋条約機構)によるアフガン支援を批判した。とはいえ、タリバンを裏から支援し続けていたのは当のロシアである。ロシアはここ数年、アフガン国内の政治協議の場を設け、タリバンとの協力関係を築いてきた。

 

帝国主義が台頭した19世紀後半、この地は英国とロシアが南北から支配を目論む緩衝地帯となった。第一次世界大戦後、英国から独立してアフガニスタン王国が建国されたが、多民族対立やイスラム教の宗派対立が頻発した。その後、英領インドとソ連、中華民国の3者に挟まれた緩衝国家として特定の国から保護を受けることがなかった。第二次世界大戦では、連合国と枢軸国どちらにも与しない中立国の立場を取った。

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