pet「マリの喫茶室」
【マリの喫茶室】 フランダースの犬
コロナ感染拡大で自宅おこもり生活が続くと、テレビを見ることが多くなる。
私は、アマゾンのfireTVスティックを購入し、テレビ画面でAmazonプライムやYouTubeを見ている。
最近の、マイブームは、アニメ「フランダースの犬」である。
(1)50年前(1975年)のアニメ
「フランダースの犬」は誰もが知っている日本のアニメである。当時、大人気で最終回の視聴率は30.1%を記録した。
最近は、リマスター版ができ、当時よりも鮮明な画像で見ることができる。(YouTubeや無料動画配信サイトGYAO)
たまたまYouTubeで第1話を見たら、とても面白い。最近は、仕事から帰ったら「フランダースの犬」を1話づつ見るのがマイブームになっている。
いったい、何が面白いのか。以下、大人の私がはまってしまう「フランダースの犬」の魅力を語りたい。
(2)パトラッシュの動きがリアルでかわいい
CGもなかった時代、アニメは全て1枚1枚手書きである。大変な苦労をして制作したと思うが、「フランダースの犬」はとにかく絵がきれいである。
中でも、犬のパトラッシュのリアルな動きがすばらしい。走り方、鼻で嗅ぎまわる様子、ネロにとびつく愛らしい姿、犬の動きがリアルに再現されている。
独特の動きをして人間のように話すディズニーの動物とは全く異なる。動きはリアル、声はちゃんと犬の声である。しかも、アニメらしくとても愛らしい。
(3)パトラッシュが健気すぎる
最も魅力的なキャラクターはやはりパトラッシュだと思う。擬人化していないので、話したりしないのがまたいい。犬は犬のままで十分気持ちが伝わる。
パトラッシュは、残忍な金物屋に毎日重い荷車をひかされ、むちでうたれ、水も食事もろくに与えられずに酷使されていた。ついに倒れてしまったパトラッシュを金物屋は残酷にも土手に捨ててしまう。今なら金物屋は動物虐待で逮捕されていただろう。
その後、ネロに助けられ元気になったパトラッシュは、ネロとおじいさんと暮らし始め、初めて自由と安心を得る。しかし時々、虐待がフラッシュバックして人影に怯えるなど、PTSDに苦しむところなど、50年前のアニメとは思えないリアルな描写である。
しかも、パトラッシュは、穏やかな性格で、働き者!応援せずにはいられない。
(4)ネロ少年の人生は幸せだった
ネロ少年は、貧乏にもかかわらず、なぜか品があり、性格もいい。しかし、どこかはかなげである。早すぎる死を暗示しているようだ。
雪の夜、ネロとパトラッシュが教会の中で飢えと寒さから死ぬ、という悲劇的な最後が強調されがちだが、ネロの人生は決して不幸ではなかったということが今回、アニメを最初から見てよくわかった。安心した。
よく、「終わりよければすべてよし」、というが、逆に人生の最後だけでその人の人生を判断してはいけないと思う。
アニメでは、ネロが貧しいながらも、おじいさんやパトラッシュ、幼馴染のアロアと楽しく暮らす毎日が丁寧に描かれている。
最後は、村八分にされ、おじいさんが亡くなり、孤独と絶望の中で半ば自死のように死んでいくのだが、それは本当に最後の最後の話である。
物語の大半は、色々あるけれど幸せに暮らす日常が描かれており、それがとてもほのぼのしていて、心地よい。
ネロの最後の言葉、「パトラッシュ、疲れたろう。僕も疲れたんだ、なんだかとても眠いんだ、パトラッシュ」、泣けますね。そして、二人は天使に連れられて天に昇ります。
マッチ売りの少女と同じように、そこには次の世界での幸せが予感されます。
松任谷由美の「ひこうき雲」も連想させますね。
(5)海外では人気がない?
「フランダースの犬」の魅力を書いたが、日本では大人気のアニメだが、意外にも海外では人気がないらしい。その理由をネットから。
- ベルギー:ベルギーの話だが、本家では人気がないとのこと、銅像はあるが、それは日本人観光客向けらしい。犬と子供を虐待する設定が面白くないとか。ベルギー人はそんなひどいことはしないそう。
- イギリス:犬に荷車をひかせて働かせること自体がNGらしい。
- アメリカ:ネロとパトラッシュが死んでしまうラストがダメ。ハッピーエンドを好むアメリカ版では、最後にお父さんが迎えにきてネロは幸せになるそうだ。
(Yahooフリー画像より転載)