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【論説】都議選、自民が第1党奪還も都民ファが終盤巻き返す
※都選管HPより
東京都議選(定数127)の投開票が7月4日行われ、自民党は改選前の25議席から33議席に増えて第1党を奪還したものの、共闘した公明党の23議席と合わせても過半数の64議席には届かなかった。小池百合子都知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」は、改選前45議席から31議席まで減らしたものの、序盤で「最悪8議席が」とも囁かれた惨敗予測から終盤での脅威的な巻き返しに成功した。
コロナ禍での選挙戦となった今回。ウイルス対策と、7月23日開幕が迫る東京五輪・パラリンピック開催の是非が最大の争点となった。今秋行われる総選挙(衆院選)の前哨戦に位置付けられ、各党とも総力戦で臨んだ。
自民党は改選前25議席から8議席の積み上げとはなったものの、過去2番目に少ない議席数に終わり、敗戦ムード一色。山口泰明選挙対策委員長は「どこが目標に足らなかったのかを精査し、来たるべき衆院選に臨む」と鎮痛な面持ち。
都民ファは、結成間もない前回都議選で49人が当選し、いきなり第1党に躍進。この4年間、新人議員ばかりの烏合の衆として目立った活動もなく、小池氏の傀儡に終始してきたこともあり、戦前は惨敗が大方の予測だった。ただ、無党派層が圧倒的に多い都市部の選挙だけに、直前の印象操作が結果に大きな影響を及ぼす。都議選の特殊性を熟知している小池氏は最終日の3日、激戦の中野区や千代田区などにサプライズ応援に訪れた。小池氏の登場が最終版での劇的な巻き返しに繋がったとみられる。
過去7回連続の全員当選を続けてきた公明党は今回、厳しい戦いが予想された。3月には、都議会で連携してきた都民ファとの関係を解消し、自民との政策協定を締結。自公連携の復活をアピールしたが、創価学会婦人部を中心にした強固な組織力に綻びが生じつつある。結果的に8回連続の全員当選は果たしたものの、薄氷の勝利を掴んだ選挙区も散見された。
31人を擁立した共産党は、東京五輪の中止を公約に掲げて戦い、改選前から1議席増の19議席を獲得した。立憲民主党も五輪の中止・延期を争点に戦い、改選前8議席から15議席に躍進した。一部選挙区で候補者調整を行った両党は、衆院選でも共闘に向けた話し合いに弾みを付ける見通しだ。
各党の獲得議席(カッコ内は改選前の議席数)
自民 33(25)
都民 31(45)
公明 23(23)
共産 19(18)
立民 15( 8)
維新 1( 1)
ネット 1( 1)
無・他 4( 5)