yukoku「憂国の風」
【憂国の風】 国体とは何か~三島由紀夫「文化防衛論」について(その2) 玉川博己(三島由紀夫研究会代表幹事)
そこで日本の国体は天皇である、天皇陛下万歳となるわけである。さて、日本の文化たる天皇であるが「文化防衛論」の中で、日本文化の三つの特質が説明されている。すなわち
国民文化の「再帰性」、「全体性」、「主体性」である。難しい言葉であるが、しかしこの三つの言葉は、うまく日本文化を表現していると思う。
まず「再帰性」とはどのようなものかというと、三島由紀夫の言葉で言う「オリジナルとコピー」である。具体的に言うと伊勢の式年遷宮がある。もともとあった伊勢神宮はオリジナルである。二十年経過すると、全く同じ建物を建てる。つまり、オリジナルをコピーするわけである。しかし、そのコピーが次の二十年のオリジナルになるのだ。これが再帰性である。
「全体性」というのは、全体性、トータルである。「主体性」というのは、日本文化の自立性ということである。天皇がいらっしゃるということが日本文化であり、この文化やその特質が何者かによって侵されるのならば、闘わなくてはならない。この三つを総合したものが、日本文化を守る文化防衛論なのである。
記事の続きは有料会員制サービスとなります。
2023年3月より新規会員は新サイトで募集しています。
こちらでご覧ください。
やまと新聞は日本人による日本のための新聞社です。
会費は月額350円(税込)です。全ての記事・コラムがご覧いただけます。