pet「マリの喫茶室」
【マリの喫茶室】 コロナワクチンの優先順位
〇 緊急事態宣言と感染防止行動は関係がない
緊急事態宣言が延長された。
とはいえ、昼間の東京は人ばかりだ。
レストランやコーヒーショップも人ばかり。
よく見かける風景は、
若い人は、一人でスマホをいじりながら店にいる。
女性の中高年は、仲間と連れ立って店に入り、談笑しながら食べている。
テレビでインタビューを見ていたら、
(記者)「緊急事態宣言の延長をどう思いますか?」
(街中の中高年女性)「緊急事態宣言が終わったら旅行に行こうかと思っていたけれど、キャンセルした方がいいのかしら」
まるで、自分は社会のルールを守る人間です、と言わんばかりの回答である。
きっと心からそう思っているのだろう。
しかし、感染防止対策と緊急事態宣言は関係がない。
緊急事態宣言だろうかなかろうが、マスクを外して会食や宴会をすれば、感染リスクは高まるのだ。
緊急事態宣言中は感染リスクが高いが、期間終了後は感染リスクが下がるというものではない。
個人としては、常に感染予防に努めるべきである。それが自分のためであり、社会のためである。
〇 菅総理の間違った認識
菅総理はいつも「緊急事態宣言でご不便をおかけします。」みたいな挨拶をしているが、全く認識がおかしい。
首相が謝るべきなのは、「感染拡大防止ができず、国民の命を守れないこと」である。
にもかかわらず、「ご迷惑」とか「ご不便」「ご不自由」といってしまう軽さ。
「宴会がしばらくお預けで申し訳ない」くらいの認識しかないようだ。
国民の命を守る危機感をもってほしい。
〇 限られたワクチンを高齢者に優先すべきか
自粛頼みの感染防止対策の効果には限界がある。
待たれるのはワクチンである。
しかし、そのワクチン接種は予定より大幅に遅れている上に、量的確保も危ぶまれている。
4月には、一部の高齢者への接種が始まるが、一般にいきわたる見通しは全くたっていない。
しかし、そもそもワクチンを全ての65歳以上の高齢者に優先する必要があるのだろうか。
今でも、中高年は自由に街中を闊歩している。
電車やバスで、マスクをしない男性の高齢者が必ずいる。
確かに、クラスターになりやすい高齢者施設ならワクチン接種の社会的意味がある。
また、高齢者は若い人に比べ、重症化リスクが高いので、感染すれば病床を圧迫してしまう。
だから、社会のためにも高齢者接種を優先する、という考え方も分かる。
しかし、それは十分な供給量が期待できる状況であれば、である。
現状では、希望する国民全員にワクチンがいきわたる見通しはたっていないのである。
限られたワクチンを誰に打つべきか、と考えた場合、
医療関係者や介護従事者なら分かる。高齢者施設も分かる。
しかし、元気な高齢者にまでワクチンを優先する必要があるのだろうか。
今以上に、高齢者が、街中で、自由に動き回り、会食をし、カラオケをし、旅行にいく、それだけのことだ。
元気な高齢者の自由な生活を守るために、ワクチンを優先的に分配するのが果たして公平なのか、疑問である。
基礎疾患がある人を優先するのなら、高齢者に限らず、糖尿病などの基礎疾患者を優先すればいい。
ただ基礎疾患は自己申告に頼らざるをえない。
行政的には、年齢で区切るしかなかったのだろうとは思うが、ワクチンの遅れ、量的不足が顕在化する中で、高齢者優先だけが突出し、ますます不公平感が漂う。
〇 ワクチンは1回接種でできるだけ多くの人に
ファイザーの場合、1回接種でも80%の予防効果があるという。
現にイギリスは2回目を12週後にすることで、実質1回接種に切り替えている。
絶対量が不足する中、高齢者だけ2回接種するのはあまりにも不公平ではないか。
せめて、1回接種にして、できるだけ多くの人にワクチンがいきわたるようにすべきだと思う。
それに副反応も2回目の方が出やすいというので、1回接種で済むならその方がいいと思う人も多いと思うが。
〇 子供や学生の日常生活こそ守るべき
この1年は、コロナ・コロナの1年であった。しかもまだ収束していない。
成長期の子供や学生の1年の重みは、中高年の比ではない。
休校や部活の規制、大会やコンクールの中止の影響は計り知れないと思う。
そもそも、学生や子供に、ステイ・ホームは無理であるし、有害ともいえる。
子供が健やかに育ち、若者が成長するためには、学校に行き、部活動をしたり、友人と交わったり、身体を動かすことが大切である。また、受験や就職活動はワンチャンスでもある。
子供や学生の日常生活こそ守るべきだろうに、と思う。
宴会や花見は、緊急事態宣言にかかわらず、コロナが収束するまで禁止した方がいい。
しかし、成長期の1年は取り返しがつかない。
守るべきは、元気な高齢者の自由な生活ではなく、学生が当たりまえの学生生活を送れる日常生活である。