minsha 「とおる雑言」
■「やまと新聞」電子版 令和三年一月「とおる雑言」 出色の産経「年のはじめに」 寺井 融 アジア母子福祉協会監事
毎年、元旦「社説」読み比べを、楽しみにしている。各紙の姿勢がうかがえるからで、ここ十年ぐらいは朝読産の三紙のみ。
朝日は「核・気候・コロナ」。「このままで人類は持続可能なのかという問いの波頭に立っている」と大上段に結ばれていた。それでどうした、と言い返したくなる。
読売は「大事なのは国力である。基盤をなすのは経済力だ。日本の経済構造の立て直しに取り組まなければならない」と断じており、その通りと思いつつ、空疎感も。
いま日本が問われていることは、「コロナ」と「尖閣」である。いずれも中国由来であることが腹立たしい。
その点、産経・乾正人論説委員長の「年のはじめに」は、「中国共産党をもう助けるな」と判りやすい。「戦時中は軍部が、戦後は外務省が『中国共産党を助けた』」との指摘にも納得。受験生の頃は「かなり濃厚な『親中派』であった」という書き出し「告白」も、意表を衝かれ、好感が持てた。
当方は、教えていた大学で「中国共産党は嫌い。しかし、中国は好き」と発言し、後で受講していた中国人留学生から「先生、実は私もそうなんで…」と言われたことがある。初めての海外旅行は、文革末期(一九七五年)の中国三週間で、少年時代から『三国志』や『水滸伝』が好きだったこともあり、「親中派」の気質を有している?
そうなのかもしれないが、中共政府の横紙破りを、断じて許してはならない。それを痛感させられた出色の論稿でした。