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「平和を望むならば戦いに備えよ!年末年始が危ない、断固とした尖閣防衛体制構築を!」 西村眞悟
1983年3月、ソビエトを「悪の帝国」と断言し、SDI計画(核ミサイル防空システム)を築くと宣言して軍事力増強に乗り出したレーガン大統領を、「尊敬している」と言った共和党のトランプ氏と、「カーボーイ」、「戦争屋」と非難した民主党のバイデン氏が争ったアメリカ大統領選挙は、11月3日に投票が行われたが、未だ「決着」はついていない。トランプ大統領の任期は、来年の1月20日まである。
投票後の開票が進むなかで、ニューヨークで会社を経営している友人から電話があり、「開票状況が異様だ、深夜に膨大な票が民主党に上乗せされる、大規模な不正がある。」と教えられた。彼が語る選挙中のアメリカ社会の状況を聞いた後で、我が国のマスコミなどで未だに言われる「アメリカの民主主義の立派さ」という思い込みは実に空虚だと思った。そして、次の二人の言葉を思い浮かべた。
「リベラルたちには尋常ならざる背信の才がある。世間話の最中でも、いきなり反米的な態度をとる。彼らだってアメリカを愛している、とだれもが言うが、それはちがう。この国が内外の攻撃にさらされるたび、彼らは敵側につく。それが連中の正体だ。」
「私は何度も遠征隊を率いてインディアンと闘ったが、そのたびに我が身を恥じ、我が政府を恥じ、我が軍の旗に恥ずかしい思いをしたものです。正しいのはいつも彼らインディアンであり、間違っているのはいつもわれわれアメリカ軍だったからです。彼らが協約を破ったことは一度もありません。われわれが協約をきちんと履行したことも一度もなかったのです。」
初めの言葉は、アン・コールター女史が、F・D・ルーズベルト大統領からクリントン大統領までの「アメリカを誤らせた民主党の60年」を書いた「リベラルたちの背信」(TREASON)という本の冒頭の一句だ。そして次は、西部劇で有名になったバッファロー・ビルが、1915年に動物記のアーネスト・シートンに語ったことだ。
この度の主に民主党州知事がいる全米各地の州で起こった人種差別反対暴動も、誰も反対しない人種差別撤廃を掲げているが、その内実は、正体不明のものに操作されたアメリカの弱体化を狙う反米闘争であり反トランプ闘争である。
そして、ニューヨークからの友人との電話の最後に、私は彼に言った。「それにしても、こういう実にずるい奴らに戦争を仕掛けられ、我が国は、敗北して七年間も占領支配されたと思うと無念だ」と。
バイデン氏は、四年前のトランプ氏が勝利したときの民主党の副大統領であった。そして、選挙中に、トランプ氏が「日本も核兵器を持てばいい」と語ったのに対し、バイデン氏は、「トランプは実に無学だ、我々は、日本が核兵器を持てないような憲法を作って日本に与えてあるのを知らないのか。」と反論した人物である。彼は、レーガン大統領を「戦争屋」、「カーボーイ」と罵ったが、我が国に二発の核爆弾を落として、七年間も占領統治したトルーマン大統領は尊敬しているのだろうと思う。
そこで、我が国の菅総理は、このバイデン氏に、早々と当選お祝いのメッセージを出し、十五分間の電話会談を行ったのであるが、その通訳付きのたった十五分の短時間の会談のなかで、バイデン氏に尖閣諸島に関して日米安保条約第5条の適用を認めてもらい、北朝鮮に拉致された日本国民救出への尽力を要請して承諾を得たと「大きな成果を得た如く」発表している。まるでアメリカの属国の如きである。
しかし、現在、アメリカの大統領は、バイデン氏ではなく、トランプ氏であり、大統領選挙の決着は未だついていないのだ。しかも、この異常事態の虚を突いて、中共が、軍を尖閣に侵攻させる可能性が増大しつつある。まさにこの時、我が国の総理が、バイデン氏がアメリカ大統領であるが如き会談をして、何が安心できるのか。これ、最も警戒すべき年末年始の期間の不安材料の増大ではないか。
よって、ここは国家の原点に戻って覚悟を定める時だと思う。そもそも、独立国家である限り、その国土を守り国民を救出することは国家の第一義的な責務である。
第一義的とは、他国に依存するのではなく、まず独力を以て国土を守り抜き国民を救出する覚悟がなければならないということだ。さらに、日本国憲法に従えば、それが出来ないというのならば、バイデン氏が四年前に認めたように、そのような憲法は、アメリカのリベラル政権が、占領中に我が国に与えた憲法なのだから、菅内閣総理大臣は、「憲法の無効、廃棄」を宣言して国家(国土と国民)を守り抜く覚悟を固めねばならない。何故なら、このような憲法が残って国が無くなることを、断じて受け入れることは出来ないからだ。
最後に、ドイツの法学者イエリングの次の言葉を記しておく(同氏著「権利のための闘争」)。「隣国によって一平方マイルの領土を奪われながら、膺懲の挙に出ない国は、その他の領土をも奪われてゆき、ついに領土を全く失って国家として存立することをやめてしまうであろう。そんな国民は、このような運命にしか値しないのだ。」