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【なるほど納得政経塾】50号 「疫病社会科学Ⅰ」 神奈川大学経済学部教授 経済学博士 小山和伸

狩猟採集人類の移動 

現在再び武漢肺炎の活性化が問題視されているが、本稿では『銃・病原菌・鉄』(ジャレッド・ダイヤモンド)および『疫病と世界史』(ウィリアム・マクニール)等を参考にしながら、疫病と経済・社会との関連性を推論する、疫病社会科学とでも呼ぶべき分野を考察してみることにしよう。

人類の誕生はアフリカで、700万年前に遡るというが、現代人の祖先と言われるホモ・サピエンスが50万年前、ネアンデルタール人が13万年前、クロマニヨン人が5万年前と言われている。また、人類がアフリカからアジアに渡ったのが100万年前、ヨーロッパに渡ったのが50万年前、オーストラリアやインドネシアに到達したのが3~4万年前、そして南北アメリカに至るのが1万5千~1万年前とされている。

今から1万年前まで、人類は狩猟採集生活をしていたとされる。つまり、1万年前くらいまでは、大型の動物や魚介類、木の実などの植物が、比較的容易に収穫できたものと考えられる。勿論、不猟の時期と餓死、餓死による獲物の復元を繰り返していたに違いないし、また人類の地球規模での移動も、より獲物の豊富な地域を求めて行われたに違いない。

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