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【論説】生きる伝説と化した渡辺恒雄氏の語る戦後政治史の迫力

94歳で現役記者の渡辺恒雄氏(読売新聞HPから)

 

終戦ウィークということで、NHKスペシャル「渡辺恒雄独占インタビュー、戦後政治の表と裏」が8月9日、放送された。

 

渡辺恒雄氏(94)と言えば、読売新聞グループ本社代表取締役主筆で、かつては社長や巨人軍オーナーも務めた言論界の巨魁である。ライブドアや楽天による球団買収騒動の際には会談を要請するプロ野球選手会会長に「無礼な事言うな。分をわきまえなきゃいかんよ。たかが選手が」と発言し厳しい世論に晒されるなど、球界の独裁者としても恐れられた。

 

その強い発言力や直截的な物言いに眉を顰める人も少なくないが、一新聞記者とは思えぬ影響力は、様々な書籍や証言で生きる伝説となっている。

 

番組では、渡辺氏の「生涯 一記者」としての使命感を戦争の原体験に置いた。戦後、共産党入党とその失望を経て政治記者となった。自らの価値観に合致する自由主義の政治家の懐に入り、時には自らが外交のタクトを握り、時には歴代総理を決める橋渡し役となり、現実の政治を推し進めてきた記者人生を振り返った。吉田茂や石橋湛山、鳩山一郎、池田勇人、大野伴睦、中曽根康弘らの信用を勝ち得て、名だたる政治部記者の中でも無類の情報力と発言力を持ち、社内外で存立基盤を確立していった。戦後政財界の黒幕と言われた児玉誉士夫氏(1984年に72歳で死去)と共に日韓国交正常化でも活躍したと紹介された。

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