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【論説】時代に逆行する中国共産党の覇権主義

※イメージ画像

 

好むと好まざるとにかかわらず、中国の潜在力は私たちの先祖も痛いほど理解してきた。弥生時代以降、日本は先進文化を常に中国から取り入れ、時にはその武力に脅威を抱き続けてきた。朝鮮半島を挟んで戦いに発展したことも1度や2度ではない。

 

日本だけではない。19世紀から20世紀の一時期を除いて、中国を支配した王朝は常に繁栄し、先進文化を継承する国であり続けた。欧米列強が進出した19世紀末も、清王朝が統治する中国は「眠れる獅子」と呼ばれ、その潜在力には欧米諸国も一目置いていた。

 

眠れる獅子などと呼べる格好のいいものではないが、100年以上前の脅威は今、現実のものとなっている。一国二制度が形骸化してしまった香港だが、こうなることは1997年の返還時に予想されていたことかもしれない。

 

香港の運命は、天安門事件が発生した1989年6月より7年も早い1982年9月に動き出した。同年6月、フォークランド紛争でアルゼンチンに勝利したマーガレット・サッチャー英首相は勇み足で中国共産党の最高権力者だった鄧小平氏と北京で対峙した。

 

鼻息荒いサッチャーを迎えた鄧氏は「香港はフォークランドではないし、中国はアルゼンチンではない」と一切の妥協を認めなかった。英国人によってではなく、香港人の手で香港を治める「港人治港」を譲らず、交渉が破断すれば武力行使や水の供給の停止などの実力行使もありうることを示唆した。

 

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