contribution寄稿・コラム
緊急報告 「令和元年12月12日、川崎市で、全国初の罰則付きヘイトスピーチ条例可決」永井由紀子・山本閉留巳(罰則付・欠陥条例に反対する会共同代表)
正式名称「人権尊重のまちづくり条例」という条令が全国初、先陣を切って可決された。
既に二番手の名乗りを上げている相模原市でも、条例制定の動きが始まっている。
当会では、「すべてのヘイトに反対する」、「偏った国のヘイトスピーチ解消法を見直す」、「偏った罰則付き欠陥条例には反対する」、以上3点を掲げて活動をしている。
今回の川崎市条例に関しては、非常に偏った条例と言わざるを得ない。
条例文は川崎市のHPから見ていただくとして、「本邦外出身者に対する日本人のヘイトが罰せられる対象」となっていることは明らかである。
1~50万円の罰則もさることながら、住民間の分断になりかねず、更には日本人の言論の自由の制限にも及ぶ危険性も含む。既にインターネットでのヘイトも視野に入れているとの情報もあり、在日・弁護団・左翼系団体の勝利であるといわざるを得ない。
今回、自民党が最終段階で提出した付帯決議案付きで了解決議となった。
一部では付帯決議案に「よくやった、がんばっった」という声もあるが、果たしてそう言いきれるだろうか?
付帯決議は12月6日に文教委員会へ提出され一旦各会派に持ち帰り、12月9日に再度提出となり訂正された案が了承されている。
どこが変わったかというと、
当初案「本邦外出身者のみならず、日本国民たる市民に対しても不当な差別的発言が認められる場合には、本条例の罰則の改正も含め、必要な施策及び措置を講ずること」
決定案「本邦外出身者以外の市民に対しても、不当な差別的言動による著しい人権侵害が認められる場合には、必要な施策及び措置を検討すること」
これではとても「よくやった!」と喜べるものではない。
限りなく玉虫色、どうにでも解釈できる内容だ。外国人も対象となると勘違いしている方も多いと思うが、我々はそうは考えない。
この玉虫色の付帯決議が効力を発するためには、「条例の見直し期間の設定」「付帯決議の明確な日本人へのヘイトという文言」「双方ともに」などが入っていればまだしも、「検討しましたが措置を講ずることはありません」という結果になる。
小さな勝利が大きな過ちに通じることを肝に銘じていきたい。