台風19号の災害を機に八ッ場ダムをめぐる議論が起きております。
鳩山民主党政権時代に、当時の前原国交大臣が「コンクリートから人へ」という同党のスローガンにより、完成間近であった同ダムの建設工事の中止を宣言し、その後野田民主党政権で工事が再開するなど紆余曲折があったこと、そして今回の台風19号襲来に際し、ダムが効力を発揮し下流域の首都圏への水害を食い止めたということです。
一連の指摘は全うであり、現場や経過を知ってか知らずか、建前や綺麗事だけで人命に関わる政策を左右するべきではないと、私も思います。
その上で改めて考えるは、当時の前原国交相がなぜ工事中止を決められたかと言えば、政権与党の国会議員であったからです。
ではなぜ政権与党の国会議員に成れたと言えば、選挙区の有権者が投票した事、そして前原氏が所属していた民主党に多数の国民が投票したからです。
多数の国民が投票した理由として、第一に加熱したマスメディアの報道、第二に直前の与党であった自民党が弛んでいたこと、そして第三に民主党に政権を任せようという国民自身の意思があったからです。
そのことを忘れて政治家やマスコミの批判ばかりに終止していてはいけないと思います。
無論当時の民主党の国会議員、私を含め民主党政権誕生に協力した同党地方議員もまた猛省しなければいけませんが、反省がないまま当時の民主党関係者が国会で統一会派を組んだり、批判を謙虚に受け止められていない現状を見るに、この国でのまともな政権交代が遠のく危険性を感じざるを得ません。
この種の議論を聞く時、いつも地元のある町会長から言われた言葉を思い出します。
「皆いろいろ言うけどさあ、おれはいつも思うんだよ。あんた前回の選挙誰に入れたの?どこの党に投票したの?そもそも投票に行ったの?。」