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「ナメクジ食べて死亡」の衝撃

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国際ニュースには時々驚くべきものがあるが、豪州から飛び込んだ「ナメクジを食べて死亡」の報道は衝撃的だった。
 
19歳のサム・バラードさんが2010年、友人宅の中庭で談笑中に現れたナメクジを悪ふざけで飲み込んでしまったという。暫くしてバラードさんは全身の力が抜け、両足に激痛を訴えた後でこん睡状態になり1年余り意識が戻らなかった。意識は回復したものの、自力で動くことができなくなり、24時間介護が必要になり、8年間の長い闘病生活が始まった。
 
11月2日、バラードさんは家族や友人に見守られながら息を引き取ったという。体調不良の原因は、ナメクジに寄生していた広東住血線虫で、通常はネズミの肺に寄生しているが、糞などを媒介してナメクジやカタツムリ、カニ、エビ、カエルに感染するという。ほとんどは軽症で済むものの、稀にバラードさんのようなケースもあるという。
 
カタツムリやカニ、エビは食用として世界中で食べられており、このようなショッキングな病に侵されるとは想像もできない。日本でも2011年4月、焼肉レストランでユッケを食べた5人が死亡、24人が重症となる事件があった。この時は、腸管出血性大腸菌O111による食中毒だった。
 
日本人には生魚や生肉を食べる食習慣があるので、火の通っていない食材に対する抵抗感が少ない。刺身を恐る恐る口に運ぶ欧米人を見て、「そんなに警戒しなくても」と苦笑したことがある。
 
むしろ欧米人の反応こそ正しい認識といえる。バラエティー番組では、雑草や魚をその場で食べてしまうロケをよく見る。豊富な知識に裏打ちされているから問題ないと思うが、素人が真似したら大変な結果になる恐れがある。
 
人生は儚く、ときに残酷である。