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《ストップ・ザ・左翼政局》 混乱国会―民主主義破壊の抵抗野党 元文部科学大臣秘書官 鳥居徹夫
《ストップ・ザ・左翼政局》
混乱国会―民主主義破壊の抵抗野党
元文部科学大臣秘書官 鳥居徹夫
🔶働き方改革法案が、衆議院を通過、参議院へ送付
この通常国会は、(維新を除く)野党の審議拒否や暴力的採決妨害などのオンパレードである。
今国会の焦点である「働き方改革法案」は、ようやく5月31日に衆議院を通過し、参議院で審議される。
時間外労働の上限規制を罰則付きで規定するなど、労働基準法70年の歴史上で画期的な改革と言える。
この法案に対し(維新を除く)野党は、高度専門職の労働時間除外があることを理由に、過労死促進法案などと事実を歪め、反対のための反対に終始している。
この高度専門職の対象は年収1075万円以上であり、年間104日の休日確保などの健康確保措置を義務づけや、労使による合意や本人の同意を適用する条件としている。
また予想に反して過重な労働を強いられた場合は、従前の労働条件に戻れることや、産業医・産業保健機能の強化などが法案に盛り込まれている。
野党は、過労死促進法案と非難しているが、この法律が成立し施行され過労死・過労自殺が激減する結果となったら、野党はどう弁明するのであろうか。
🔶「先に安倍内閣打倒」ありきの野党
「先に安倍内閣打倒ありき」の野党6党(立憲、民進、希望、共産、社民、自由=当時)は、財務省事務次官のセクハラ疑惑や、財務省理財局の決裁文書の改ざんなどを理由に、審議拒否など国会を混乱させていた。
これら野党は、セクハラ疑惑で財務省事務次官が辞任したことを取り上げ、「麻生太郎財務大臣が辞任するまでは審議を拒否する」として、4月20日から国会を欠席。
またG20(20カ国・地域財務相・中央銀行総裁会議)へ出席を予定していた麻生大臣の訪米にも反対し、国益のための外交まで国会戦術とした。
4月26日に衆院予算委員会で行われた集中審議では、与党と野党の日本維新の会とが出席し行われた。
欠席した野党6党に割り当てられた時間はそのまま。質問者不在で時間のみが経過するという、いわゆる「空回し」が2時間近く続いた。その間、安倍晋三首相ら閣僚らは、手持ち無沙汰で答弁席に座ったまま。
27日には衆院本会議では働き方関連法案が審議入りし、野党6党は引き続き欠席した。
自民党・公明党の与党は衆議院本会議で趣旨説明と質疑を実施し、立憲民主党など野党6党の議員は国会ボイコット。
一方で国会を欠席した野党6党は、衆院の控室で野党合同ヒアリングを、マスコミ入りで連日行っていた。
5月連休前の4月第4週(23~27日)だけで、「財務省セクハラ問題」「加計学園問題」「働き方改革虚偽データ疑惑」「イラク日報隠蔽疑惑」の4テーマで計12回。
最も多いのが財務省セクハラ問題で8回に及び、4月24日、25日、27日は1日に2回行われた。
テレビでも多く取り上げられたように、汚い言葉で官僚に罵声を浴びせ責め立てていたのが野党である。
◆野党提出の法案審議を、野党が欠席
4月20日の厚生労働委員会は、政府提出の生活保護法改正案などと、野党6会派による対案の審議のため開催された。
6会派の対案は、立憲民主党、希望の党、無所属の会(衆議院民進党の会派)、社民党、共産党、自由党が共同提出。
野党6党は、この日からの国会欠席戦術で不在。野党提出法案の答弁者(立憲民主党の池田真紀議員)だけが答弁席にいた。
ところが途中で答弁者の池田真紀議員までもが、予告もなく中座退席し、自民党の質疑者に対する時は答弁席にいなかった。
何と池田真紀議員は黒装束に着替え、野党の女性議員と集団でプラカードを持って財務省に押しかけ、セクハラ疑惑の財務省事務次官の辞任を求めるパフォーマンスを展開していた。
もちろん野党への質問内容は通告済みで、自民党の質疑者から質問とりをしていた。
自ら提案した法案に審議どころか答弁まで拒否(逃亡)することは、国会史上で初めてのこと。
この4月20日からの野党の審議欠席に対し、24日の衆院厚生労働委員会に参考人として出席した大阪市の吉村洋文市長は「なぜ、維新以外の野党の国会議員がいないのか?」「不祥事追及は大切だが重要な法案審議は別の話で、出席拒否は職務放棄」などと批判した。
さらには野党支持者からも「大型連休は最大9日間なのに、野党議員は18連休」との批判もされた。
野党の審議拒否戦術が大失敗に終わり、国民の批判は野党に向かった。
◆審議妨害の連続、採決妨害に手段を選ばぬ横暴
5月の連休明けになって、維新を除く野党は、審議拒否ではなく議事妨害の抵抗戦術に形を変えた。
18日間も国会を欠席した野党は、『質問時間が足りない』と言うのである。この間、与党はしっかりと質疑していた。
働き方改革関連法案は、野党側に割り当てられた質問時間が経過したので採決にうつる。ところが野党側は採決をさせないため、厚生労働委員長解任決議案(辻元清美ほか6名提出)を提出した。
厚生労働委員長解任を求める理由に「委員長の職権で委員会を相次いで開いた」とあったが、そもそも野党が18連休をとって質疑を放棄したからである。
野党持ち時間の質疑要求というのは、まさに時間稼ぎのパフォーマンスに過ぎなかった。
この厚生労働委員長解任決議案は、衆議院本会議の採決で否決された。
つづいて野党は5月25日に、厚生労働大臣不信任案を提出した。またもや厚生労働委員会が中断となり、衆議院本会議で否決された。
同日、厚生労働委員会が再開されると、野党議員が厚生労働委員長席に飛びかかり、マイクを奪い、議事進行メモを取り上げるなど、暴力的に採決を妨害する混乱の中、自民・公明と維新の会の賛成多数で可決した。
ようやく29日になって、国民民主党の泉健太国対委員長は「国民民主党としては物理的にマイクを奪う、紙を取り上げるといった行為はしない」と、立憲民主党の乱闘国会戦術と一線を画す考えを表明した。
野党は審議が不十分と抗議したことから、委員会では補充質疑が週明けの30日に行われた。長期に国会を欠席していたにもかかわらず野党に時間配分した。もちろん委員会では採決が終わっている。
ようやく31日に衆議院本会議に上程され可決、参議院に送付された。
◆かつて民主党は、野党でも国益にかなう法案に賛成した
一方、朝鮮半島をめぐる国際情勢は、日本の平和・安全保障が重大な関心事になり、ようやく北朝鮮による日本人拉致被害者の救出にも、糸口が開けようとしているが、国会では、その論議がなおざりにされている。
拉致被害者の全員救出と帰国には、挙国一致で与野党を超えて、一枚岩で交渉を支えなくてはならないが、野党は「先に安倍タタキ」で関心がないのではないか。
それどころか野党は、安倍内閣の拉致問題の対応にケチをつけ、国際社会に国論が分裂しているかのような印象を、国内外に与えている。
5月30日に一年半ぶりに党首討論が行われた。
枝野幸男や志位和夫はモリ・カケのみ。玉木雄一郎も日米の経済摩擦を煽るかのような質問に終始した。
野党は誰一人として北朝鮮による拉致・核・ミサイル問題に触れなかった。米朝首脳会談に先立ち6月7日に日米首脳会談が行われるが、総理をサポートしていこうという建設的な姿勢はなかった。
日本の安全保障に関しては、原油を積んだタンカーか通る南シナ海で、中国が人工島を造成し軍事基地化しているという情勢に、見て見ぬふりをしているのが無責任野党なのである。
国会は、与野党を超えて「国民の生命、自由および幸福追求に対する国民の権利」(憲法13条)と、国益の増進に向けて取り組まなくてはならないことは言うまでもない。
かつて第一次安倍政権(2006~2007年)では、防衛庁を省へ昇格させる防衛省設置法案や、「昭和の日」制定の祝日法改正法案は、当時野党の民主党も賛成し成立した。
また海洋基本法は、国際海洋法条約を受けての国内法整備と体制づくり、(縦割り行政)内閣全体で一体化した横断的対応を提起した議員立法で、自民党・民主党・共産党・国民新党の圧倒的賛成で成立。細野豪志ら与野党議員が共同提案者で、社民党のみが反対した。
あの教育基本法案の改正法案についても、民主党は対案として「日本国教育基本法案」を提出し、自民党との合意に向けた修正協議がかなり進んでいた。ところが当時民主党代表であった小沢一郎が、チャブ台返しブチ壊した。
与野党による教育基本法改正案の法案一本化に向けた作業が吹っ飛んでしまったのである。
いまの野党は、まさしく小沢一郎と同じ「壊し屋」ではないか。これら野党には政権交代を目指そうという意欲も気概もないし、国益や国民全体の福祉向上よりも「反アベ」で動いている。(敬称略)